メーカー makerText by Natsumi Harashima

一番の醍醐味は、求められるイメージに近づけてゆくこと 01 印刷
  •  いびつな丸、にんじん、大根、カブのかたち。ふきだしのような扇型に、貝殻、人型、葉っぱのあれやこれ。ペパラブルの商品は実にさまざまな形をしており、コミュニケーションに花を添えるそのバラエティは、ペパラブルにおいてのひとつのアイデンティティと言ってもよい。しかしそれらが、どのようにしてその形に抜かれ、切り揃えられているのだろうか。今回は、その工程が行われている現場を覗いてきた。

  • 綿密な打ち合わせを重ね、試作を何度も行い、最終的な抜き型を作り上げてゆく。それを機械にセットし型を抜くわけだが、それで製品が出き上がるわけではない。出てくる紙は、すべてが切り抜かれた状態ではなく、それぞれ小さなつなぎ目を残している。

  •  それらの紙は300枚ほどの厚い束にされ、そこからは手作業だ。余白部分に手をかけ、一気につなぎ目を切り離し、ばらしてゆく。昔、屈強な男が分厚い少年誌を手で半分にちぎる光景をテレビで見たことがあるが、同じような行為に見えるそれは、音も感じないように優雅で、驚くほどにスピーディだ。切り離したあとはズレないように束をテープでとめてゆく。ずっと時間を忘れて見入ってしまうほどの心地よさ。一連の手作業は、やはり技を習得したベテランにしかできず、簡単そうに見えて非常に気を使う繊細な工程だそうだ。これは極力、紙粉を出さないためのこだわりだという。機械ですべて切り離すこともできるが、どうしても紙の粉の量が増え、仕上がりに納得がいかない。手作業での切り離しにすることで、曲線の仕上がりに磨きがかかり、お客様が手に取る時の心地よさに繋がってゆく。

     ペパラブルの商品を手にとって触ってみてほしい。そのなめらかで美しい仕上がりには、メイドインジャパンの誇りがつまっているのだ。