メーカー makerText by Natsumi Harashima

一番の醍醐味は、求められるイメージに近づけてゆくこと 01 印刷
  • ペパラブルの最初のシリーズで発表されて以来、長く人気なのがフレーズブロックだ。中を開くと五線譜が広がり、リズムに乗って言葉が伝わる…。今回は、細長くクラシックなたたずまいが特徴の、このフレーズブロックの製本現場にお邪魔した。

    機械の規則的な作動音の中、職人さん達は朗らかに声をかけ合い、仕事をする明るい現場だ。

    そんな中、まずは紙を揃える作業が始まる。紙の束を、ジョガーという振動する機械にのせて揃え、その後は1まとまりを手作業で揃え直してゆく。ここで美しく揃っていなければ次の断裁工程で全てダメになる可能性もあり、その軽やかな手つきの中にはベテランの技と感覚が詰まっていた。

  • 次に大きな刃の断裁機で、のりづけのために半分ほどの大きさに切っていく。それらに特別に配合した、割れにくい粘り気のあるのりを丁寧にのせる。「均等に塗ること」に一番気を払いながらも、手の動きはとてもスピーディだ。

    それから再び断裁機で実寸に近い大きさまで切り揃えるのだが、フレーズブロックが細長い形状のため、素人から見るとびっくりするほど刃の近くまで手を伸ばす。一寸もためらうことはない。

  • その後は一つ一つにクロスを貼り、手で圧着する作業だ。この黒色のクロスが貼られることで、フレーズブロックのクラシックな雰囲気がぐっと高まり、いよいよ最終形に近づいてゆく。

  • 最後に仕上げの断裁作業に取りかかる。この時点で、切り落とす端がたった0.5センチしか残っていない。そのため、刃にかかる圧力の調整には試行錯誤したという。このような1センチに満たない長さをカットする時は、直接手で紙を押さえていないとダメージが出るため、先ほどの断裁よりもさらに刃の近くまで手を伸ばす。目をそらしたくなる作業にも臆することなく取りかかり、断裁は優雅に、リズミカルに進んで行く。これは間違いなく、長年の経験がなくてはできない作業だ。このように3度もの断裁工程を経ることも、仕上がりを美しくすることにこだわりを持った結果だという。こうしてフレーズブロックの最終的な形が出来上がった。

    「ペパラブルの商品は美しく機能的な仕上がりを第一に考え、とても手間ひまをかけて作っているんです」とのこと。
    機械音が響く作業場だが、どの工程をとっても人の手間がふんだんにかけられ、一つ一つ丁寧に仕上げるための努力が注がれていることが印象深かった。

    ペパラブルは、たくさんの人の"手"によってできている、それを改めて感じることができた。